こんにちは。公務員系の学科長をしております小松です。
ブログの更新をすっかり失念しておりまして、今こうして書いているわけですが、以前リクエスト(1件)がありました映画について語ってみようかと・・・。
「いや、台湾ブログの続き書けや!」の声は複数届いていそうですが、「あれ」は私に少なくとも6時間くらいの空き時間が必要でして・・・^^;
つ~ことで、前から頭の中を文章に起こしてみたかった映画について書いてみようと思います。
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「先生!私も映画好きなんです!おススメを教えて下さい!」
ラーメンと一緒です。うん万回聞かれました。両方同じ反応になりますね。
「質問が雑です!おいらが見た映画は4ケタを軽く超えます。せめてジャンルを言いたまえ!」
この流れになりますね。ラーメンもできればスープとか言ってくれたら絞り込みがかけやすくなります。
私はホラー以外(ゾンビとか幽霊出てきて、気持ち悪いやら怖いやら、見る意味を感じたことがありません)全般の映画が好きですが、中でも好きなのは「ミステリーサスペンス」というジャンルです。
ざっくり言えば、大体刑事事件が起きます。死人が出ます。それを誰かが解決?するのですが、その解決?に至る過程が映画そのものなわけです。映画は監督や俳優、美術、音楽など様々な人々が関わって作るのですが、このジャンルで最も大事な役割は文句なく「脚本家(と当然原作者)」です。
今はあまり読まなくなりましたが、本もしこたま読みました。
ほとんどの映画には原作があります。その文章を映像化するために脚本家が必要なのですが、なぜミステリーの分野で重要となるかというと、「伏線」という存在があるからです。
※伏線(ふくせん):ラストの展開に備えて関連した事柄を前の方でほのめかすこと、または、後の準備として用意しておくこと、という意味の言葉です。
上記の様に、一般的にミステリーは最後に解決?します。
その時、ただ解決すればよいのではありません。ただ解決するものもありますが、ミステリー好きが望んでいるのはそういうものではありません。以下異論反論あると思いますが(受け付けません)、ミステリー作品の鉄の不文律を記載します。
一.ラストのネタあかしの映像より前に観客にネタ(オチ)が予想され、しかも的中されてはならない。
一.そのオチに「作中何の前触れもなかったもの(伏線なし)」を入れてはいけない。
一.伏線は全て「回収」しなければならない。
一.それら全てを満たした上で観客を「納得」させねばならない。
原作の面白さも大切ですが、すべては伏線とオチが大切ですから、その原作という素材を生かすも殺すも脚本家次第なわけです。
小説より映像の方が「伏線感」は出やすいのです。伏線は映像もしくはセリフに出さなければならないが、決して観客に気取られてはいけない。上手に、狡猾に、「隠す」のです。
見ている人間がこれを完璧に遂行された時に残る感想は、「やられた~~~!」の類です^^
大学の時にこれを味わって以降、様々な映画を見まくりましたが、以下の2作が最強であり、未だ超えられてないと思っています。
「んな馬鹿な!約30年経ってんだぞ!」という考えがあるかもしれません。
ちょっと語っておきますと、ミステリーという世界は、先発隊が有利だと思うんですよ。
これがSFとかのジャンルになれば後発であればあるほど有利です。
邦画で言えば「ゴジラ」なんか見たら分かりますよね?
私が子供の頃に見たゴジラは中に人が入って、模型を壊していたんですよ(それでも当時は面白かった)。
今なんか全部CG的なやつでしょ?
でもね、ミステリーのしんどい所は「前に使われたトリック」は基本もう使えないんですよ。
使えばファンに看破されてしまいます。
「実は○○でした!」という映像等のトリックは、初めて見た時は「マジで!そうきたか!やられた~!」ってなりますけど、2回目以降は「だと思った」になってしまいます。
だから、今後も期待してドラマも映画も見ますけど、見れば見るほど個人のハードルは上がってしまうというジレンマをミステリー好きは一生抱えることになるんでしょうね。
そして、たくさんの「駄作」も見ることになるのでしょう。
学生にはこう言います。
「俺はめっちゃ外してきた。その中で「傑作」って言える作品だけ紹介してあげるから、見てね」と。
傑作①:ユージュアル・サスペクツ

(wikipediaより)
直訳すれば「いつもの容疑者」ってところでしょうか?
前情報無く見てみて下さい。やられますから。
ちなみにこの脚本家はこれでアカデミーを取っています。
この作品が圧倒的な支持を世界で受けた後、レンタルビデオ作品の表紙に以下の文言が多く書かれました。
「あのユージュアル・サスペクツを超える衝撃のラスト!」
え~~~~っと、さんざん騙されましたが、どれ一つとして超えていませんでした。
サスペンス入門編であり、完成品ではないでしょうか。傑作かつ名作でした。
でも、個人的なルールにこんなものがあります。
「サスペンスの小説を見たら、その映画は見ない。その逆も然り」
「一度見た作品を、もう一度見ることは決してしない」
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傑作②:セブン

(wikipediaより)
「7つの大罪」からのセブンです。
言えるのはここまでです。
これをミステリー好きの先輩から当時「最高傑作」として勧められ、「どんな伏線も見逃すまい」と意気込んで鑑賞しました。
結果、無駄でした。
伏線は誰の目にも明らか。目を凝らす必要もありません。
全ての観客が「〇個めの罪」を見た瞬間に唖然とするでしょう。
劇中の名優モーガン=フリーマンが表現した感情が全てです。トリックが分かるとかそんな次元のサスペンスではありません。ただ、唖然とするしかないはずです。
映画を観終わっての感想は、「なんて脚本書きやがるんだ!」
2日ほどずっとこの映画の考察を先輩としていました。そして、どこをどう切り取っても「名作」だと。
もう一度見たいと思ったことはなんどかあります。
でも、オチを知った状態で見ることは、きっと当時感じた名作への感動をマイナスに上書きしてしまうはずなのでやりません。
このブログを閲覧した皆さんはフレッシュに上記の名作を見ることができるんですよ。
本気で羨ましいです。記憶消してもう一回見たいくらいですもの^^
では、また!!!
追伸:サスペンス初心者の方々は①→②の順に観て下さいね。観たら感想教えて下さい!
